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キャズムを超えると面白みがなくなるジレンマ

2016/05/01
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「深夜番組がゴールデン進出でつまらなくなった」
ネットを見ているとそんな声をよく見かけます。

私は長年のミスチルファンで、イントロクイズ大会があったら全国優勝できると思っているくらい好きなのですが、一時全く聞かない時期がありました。
というのも、ミスチルの初期は人間くさい歌詞や社会風刺の曲が多かったのですが、コバタケ(小林武史)とタッグを組んでから、大衆路線に切り替わり、当り障りのない歌詞が増えました。初期の頃の曲が好きだった私は、大衆受けを狙ったような曲が発売されて以降、興味がなくなりました。
同じように好きなアーティストに対して「昔の方がよかった」という懐古主義的な人は結構多いのではないでしょうか。

IT業界に話しを変えると、初期フェーズのGunosyは「テクノロジー情報をパーソナライズする」を売りに、IT業界で働リテラシーが高いユーザを取り込んでいましたが、テレビCMを機にニュース情報をメインに取り扱うようになり、初期のユーザからかなりの反感があったようです。

初期のニコニコ動画においても、良い意味でくだらない動画がたくさんあり、視聴者のコメントによって動画を一緒に盛り上げていく一体感がありましたが、有名になって以降はつまらなくなったという声を良く聞きます。

サービスを一般人に普及させるためには、「キャズム理論」で言われているように、新しいモノ好きなアーリーアダプター層(要はオタク)からの支持が必要不可欠です。熱狂的なユーザを確保した後、一般人に普及させるために大衆受けのコンテンツに変更していくため、これらの問題が生じてしまいます。

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キャズム理論とは、顧客は「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つの採用者タイプに区分される。この理論ではイノベーターとアーリーアダプターを合わせた層に普及した段階(普及率16%超)で、新技術や新流行は急激に拡がっていくとしている。そこで、イノベーターとアーリーアダプターにアピールすることが新製品普及のポイントであるとされてきた。
出所:『キャズム――ハイテクをブレイクさせる「超」マーケティング理論』

アーリーアダプター(=ニッチ)層向けのサービスというのは熱狂的なユーザがつきやすい反面、コミュニティが形成されてしまって外部からの新規ユーザが入りくい空気になってしまうリスクがあり、集客が必ず頭打ちになってしまいます。

スケールさせていくためには、人の意見に流されやすいアーリーマジョリティ層(ライトユーザ)を開拓する必要があり、「みんなもやってるよ、まだやってないの」という扇動的なマーケティングで集客を行ったりします。

キャズムを超えたいがために大衆向けにユーザ層を変更してしまった結果、サービスの優位性や独自色がなくなり、初期の頃の面白みがなくなってしまうというジレンマが発生しがちです。

また規模がデカくなるにつれて利害関係者が増えて、ハメを外すことが難しくなり、コンテンツの面白みが薄くなってしまいがちです。

ミスチルはコバタケから独立して発売した最新アルバム「未完」は初期の頃のようなバンドサウンドが前面に出ており、原点回帰したと言われております。コバタケと一緒に作曲していた頃の方が良かったというライトユーザ(←失礼)もいるようですが…

営利企業である以上は利益が再優先になるので、キャズムを超えることに躍起になりがちですが、大衆向けコンテンツが増えて当り障りのないモノばかり溢れてしまってはつまらないので、その人・その企業しか作れないような「独自色」というのを大切にして欲しいものです。

この記事を書いた人

森井 良至

Webサービスのビジネスモデルを紹介するWebFolioの管理人。引き籠もりな性格を打破すべく、2017年はたくさん友達を作ろうと企んでいます。Facebookの友達申請お気軽に!

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