最近、私の周りで「副業でブログって稼げるの?」という質問が増えた。今年の4月より施工される「働き方改革関連法案」の一連の動きもあってら、サラリーマンの方が新たな収益源の確立として、ブログでの広告収入(アフィリエイト収入)を検討しているようだ。
私は今27歳だが、19歳の頃からブログを立ち上げ、サラリーマンをしながら8個のブログを運営してきた経験がある。ジャンルは様々で、基本的に自分が興味を持ったことをブログで記事化していた。
この記事は「副業としてブログをやりたい」と考えている方へ、私の体験談を見てもらい、少しでも何かの参考になればという思いで作成した。結論から言えば「副業でブログは稼げるのか?」という問いに対しては「頑張れば稼げるけど…」という、とてもありふれた、面白みのない回答をいつもしている。
その理由は、これから書く内容を見てもらえれば、その真意がわかると思います。
目次
今まで運営してきたブログ
今まで運営してきたブログは8個だが、特に稼ぐことができた、3つの主要ブログを紹介したいと思う。ブログといっても日記を投稿するようなものではなく、また何らかの商材を売るようなアフィリエイトのブログでもなく、基本的に誰かの役に立つことを目的としたブログを立ち上げてきた経緯がある。
前提として、ブログサービス(アメブロやライブドアブログ)を使ったことはなく、以下に紹介しているブログは、独学で制作スキルを身に着けて、全てWordpressで制作している。
各ブログのタイトルに平均の収益額を書いているが、これは発生額ベースではなく、確定額ベースで、特に力を入れていた期間内で平均した月間の収益を記載している。
カラオケまとめサイト(平均月10万程度)
今から8年前、当時19歳の頃に初めて自分で作成したブログ。
このブログを作成した経緯として、もともとカラオケ嫌いだった私が、どんな曲を歌えばその場を凌げるのか、盛り上がるのか、そういった曲リストが調べても出てこなかったので、なら自分が作成しようと思い、作成するに至った。
「カラオケ 盛り上がる」という月間検索ボリューム3万のワードで1位を取ることができ、かなりのアクセスを稼ぐことができた。作成して2年後には月間60万PVを達成することができ、アドセンスによる広告収入は多い時で、月15万円の収益となった。
作成したページは30ページ程度にも関わらず、大手カラオケ会社から純広告の依頼が入ったり、150万円でのサイト買収オファーが入ったりするようになった。
ちなみにこのブログで稼いだ累計金額は(この記事執筆時点で)450万円程度になる。年間20万円以上稼ぐと、所得税の確定申告が必要になるので、何が経費で落とせるのかわからないまま、自分でやっていた。
私は高卒で既にネットショップを運営する会社に勤めていたので、会社側に住民税の請求が発生して副業がバレないように自分で納付するようにしていた。
初めてのブログでいきなりこんな高収入を叩き出すことができたため、ここから調子に乗り、複数のブログを立ち上げたが、全て失敗に終わったという悲しい過去がある。
結局このサイトも、定期的にコンテンツを作成しなかったためか、競合が増えすぎたのか、3,4年前から順位が下がりまくり、今では月3万円程度の収益まで落ち込んでいる。
Utaly(平均月5万程度)
「カラオケまとめサイト」が成功したので、合コンのマナーやゲーム事例の紹介をする「飲み会のまとめサイト」、平均年収を紹介する「年収まとめサイト」、Youtube上の猫動画を集めた「猫動画まとめサイト」など興味がある分野のブログを立て続けに作成した。
しかし、これらのブログは運営して一年で数百円程度しか稼ぐことができなかった。そのため「カラオケまとめサイト」で収益化できた経験を生かし、「Utaly」という全く同じ趣旨のカラオケサイトを作成した。
目的としてはカラオケで成功したという点と、今まで競合がNAVERまとめやYahoo知恵袋くらいだったが、キュレーションメディアが乱立してきたため、順位を抜かれるリスクを考慮して、自分でパクリのサイトを作った、という経緯がある。
このやり方はある程度成功し、私が作成した二つのカラオケサイトが検索順位の1位と2位を獲得することができ、広告収入も多い月で8万円程度を稼ぐことができた。
ただ案の定、飽きっぽい私は記事を作成することを放置し、最終更新日は3年前という状態になっている。そして広告収入も今では月に5,000円程度となっている。
WebFolio(平均月10万程度+企業からの仕事依頼)
高卒ということでスキルがなかった私は、もっと制作スキルを身に着けたいという思いで、23歳で社員10名程度のホームページ制作会社に転職した。
面接の際に、今まで運営してきたブログを話すことができ、非常に助かった記憶がある。実務経験がなかったものの、そこそこ良いポジションで採用してもらうことができた。
この頃、クラウドワークスの赤字上場などがあり、ベンチャー・スタートアップ界隈が盛り上がっていた。そこで資金調達を果たしたwebサービスの、ビジネスモデルを解説するサイトがあれば流行るのではないかと思い、本業の会社で学んだことをアウトプットする目的も兼ねて、今読んで頂いている「Webfolio」を作成した。
今まで8個のブログを運営してきたが、今日まで運営しているのはこの「WebFolio」くらいだ。
1週間に1記事のペースで作成し続け、1年半後には「webサービス」で2位、「CtoC」で1位を獲得できるようになり、ニッチな業界ながら月間3万PVを達成することができた。
CtoC型サービスのビジネスモデルを図解してみた
ビジネスメディアということもあり、文章は「です・ます」調の敬体ではなく、「だ・である」調の常体をこのブログでは統一して使っている。
最初は自分でも偉そうに…とツッコミながら続けていたが、逆にそれが「この人は凄くこの業界に詳しいみたい」「何か知らんけどそれっぽいこと言っている」と誤った認識をユーザに与えることができた。今風に言うと錯覚資産というのだろうか。本当はGoogleで都度調べて得た知識を、さも前から知っていた風に書いているだけなのだが…。(ただそういったことを繰り返していくうちに、かなり詳しくなることができたので、やはり何事も真似から始まる、ということを実感します)
下記の記事を見てもらえれば「WebFolio」がどんなブログか、何となくイメージしてもらえるかと思う。
好きな企業を営業支援して副業できる「Saleshub」
誰でもヘッドハンターになって副業できる「SCOUTER」
アクセス数は多くないものの、こういったビジネス系に特化したサイトが少ないこともあり、また私が凄く詳しい人と思って下さり、大手Webメディアからの記事の執筆依頼や書籍の執筆、コンサル依頼、サイト制作など、様々な仕事を頂くことができた。
以下の記事は、オウンドメディアの先駆け的な存在の会社「LIG」に寄稿した記事
フリーミアムで成功した国内Webサービスのビジネスモデルを解説します
また、このブログでは最初の数年は一切広告を貼らなかった。広告を貼ってしまうと、収益が気になり、どうしても記事の執筆に集中できない。同様の理由でアクセス解析も行っていなかった。
本心では収益化したかったが、あくまで自分のアウトプットと言い聞かせ、記事を書き続け、書きたい内容を一通り書いた後、昨年頃からアフィリエイト広告を貼り付けるようになった。
広告収入は直近で月間10万程度となり、労力の割には少し物足りないものの、新しい仕事の依頼が入るため、ブログでの収益以上に収益化できている状態だ。
そういった状態が続いたため、昨年の5月に勤め先の会社を退職して自分の会社を設立するに至った。
それまで自分が作成した”ブログ”のことを、かっこつけて”メディア”と呼ぶ機会があったが、恥ずかしくて仕方なかった。ただもう法人化してライターも雇うようになったので、最近では恥ずかしがらずに”メディア”と呼んでいる。
ブログを運営して学んだ4つのこと
私の周りではブログをやっている友達が一人もいない。GoogleでSEO対策や稼ぐ方法を調べていたものの、これから紹介する内容はほとんどが独学で試行錯誤により学んだものだ。
ブロガーと呼ばれる方々は横の繋がりがあるイメージだが、どうもネット上でのコミュニケーションが苦手で、FacebookやTwitterはほとんどやっていない。
そのため、これから紹介する内容はどれだけ正確で汎用性があるか、というのがわからない。そういった事を考慮した上で一読して頂ければと思う。
ブログで稼ぐには最低3ヶ月我慢
ブログで収益化できる(最初の1円が発生する)まで、毎週2記事作成したと仮定して、最低でも3ヶ月は我慢する必要があると考えている。
私がモチベーションを保つために良くやる手法として、最初に1記事3000字以上の記事を30記事作成し、Wordpressで10記事アップした後、残り20記事を5日毎に予約投稿をする。その後3ヶ月放置し、アクセス状況を確認して全く増えてなかったら放置、アクセスが増えていたらモチベーションが上がるので、更新ということをやっている。
アクセスが増えていなくて放置したブログも、最初の30記事の方向性が間違っていなければ、半年くらいで順位が上位に上がってくるので、そこから記事の更新をやるという流れだ。
ブログでお金を稼ぐために大切なことはアクセスを稼ぐことだと考えているが、注意して欲しいのはアクセスを稼ぐためのノウハウ(SEO対策)は随時変わることだ。
基本的にそんなことは気にせず、「ユーザの役に立つ記事を書く」ということに重きを置けば良いと考えてはいるが、それでも小手先のテクニックというのは存在し、時代によって変わる。
最近だと新規ドメインで10記事しか作成していないブログでも、上位を獲得している傾向があり、1記事1記事めちゃくちゃ質を高めるだけで、アクセスが稼げるようになっている印象がある。そのため私の1記事3000文字30記事というノウハウは古い方法のかもしれない。
ブログはアウトプット目的でやると良い
自分の興味のあること、得意なこと、好きなことを「アウトプット」目的でブログに書くと良いと実感している。
メモ書きレベルでは、見に来てくれたユーザに不親切なので、誰かに優しく噛み砕いて説明する、というイメージで書くと良い。それにより他ブログと差別化できるだけでなく、SEO的に評価されやすくなるのでメリットが大きい。
わかりやすく書くことを繰り返することはアウトプットの質の向上に繋がることになる。情報が溢れる昨今、情報が整理できなくなったり、情報を深く理解する機会が少なくなる傾向にあるので、アウトプット目的のブログは自分自身へのメリットも大きい。
基本的にブログは筋トレと同じで孤独との戦いだと考えている。日記的な内容でなく、誰かの役に立つ内容を、自分の意見を踏まえつつ、わかりやすく読みやすく記事し続ければ、必ず結果が出ると考えている。
私は「カラオケまとめサイト」で収益化できてから、お金を稼ぐ目的でいくつかブログを乱立し、全て失敗した経験がある。お金目的でブログをやるとモチベーションを保つのが本当にしんどいので、最初は誰かの役に立ちたい、というボランティア精神でスタートし、アクセスが一定数稼げた段階で、収益化を検討する流れがお勧め。
注意点として、自分の好きなことというのは物凄く競合が多い可能性がある。そこで好きなことを二つ三つ掛け合わせた内容にしてみるもの良い。藤原和博氏が提言する「自分の付加価値を上げる三角形」の考え方は、ブログを差別化するためにも非常に有効な方法だ。(掛け合わせ過ぎるとニッチになり過ぎて、誰もアクセスしてくれない危険性もあるが)
100人に1人という技を3つ掛け算しますと、100分の1×100分の1×100分の1=100万分の1になれるわけです。これで「100万分の1の希少性を獲得した」ということになるわけです。100万分の1の希少性というのは、だいたいオリンピックのメダリスト級です。https://logmi.jp/business/articles/131707
ブログは広告収入だけではない
「WebFolio」を運営し、様々なワードで上位達成できたため、法人企業からオウンドメディアへの執筆依頼が入り、1記事数万円の仕事を獲得することができた。ライターの仕事以外にもコンサルや制作案件などを獲得できたので、広告収入だけでなく、副次的な仕事に繋がる可能性があると学んだ。
これらの収益はブログ収入の比ではない場合が多く、労働集約型の副業にはなるが、収益が非常に安定する。実際に私はこれらの案件のおかげで、起業することができた。
特定の分野で専門知識があれば、それは差別化になり、広告収入以外の収益が見込める可能性が高くなる。ただ最初から専門知識がある人は少ないと思うので、最初は誰かの真似からスタートし、徐々にオリジナル性を出していく方向性でいけば、広告収入以外の収入も見えてくるのではないかと思う。
ブログでの不労所得は難しい
私は色々ブログを運営していたものの、更新していないブログは悉く順位が落ち、収益が大幅に減った。SEO業界でも一般的に言われていることだが、更新性というのはとても大切なことだと思い知る。
ただ最初に紹介した「カラオケまとめサイト」は30記事追加した段階で、飽きて更新をストップしたが、月10万程度の収益が半年以上続いた、という経験もあり、短期的な不労所得なら達成することができると思われる。(短期的な不労所得という言葉は日本語として変な気がするが)
長期的な不労所得を目指すのであれば、記事の外注化は必須だと思われる。それでも競合ブログ・メディアに順位が抜かれていないか、Googleのアルゴリズムが変わっていないか、アフィリエイトのリンク先が切れていないかなど、それらも含めて外注すれば良いのかもしれないが、管理者とし懸念しておくことが多い。
またブログの一つの到達地点だと思われる純広告は、安定した広告収入が入るものの、契約期間が設定されているはずなので、長期的に掲載してもらうためにはアクセスを落とさないよう注意する必要がある。
サラリーマンがブログをやるなら
サラリーマンの方に「どんなブログを作ったら良いか」という質問を頂く機会が多いのだが、勤め先・職種によるものの、業界動向や同業界で上場している企業の決算書の解説といった、ビジネス寄りのブログが良いと考えている。
ビジネス寄りのブログはまだまだ競合が少なく、広告収入以外に、法人企業から何らかの案件を獲得するチャンスにもなる。また同業界に転職する際の面接で使える可能性もある。
こういった分野はまだまだ難しい言葉で解説しているメディアが多いので、その人の人格がわかるような感じで、面白おかしく紹介したり、わかりやすく紹介することにより、差別化を図ることができると考えている。
ただ、当然ではあるが勤務先の業務上の秘密を公開してしまうと、様々なリスクがある。ニッチな業界であれば身バレするリスクもあるので注意が必要。(身バレを避けるためにも独自ドメインを取得する際はWhois情報を非公開に設定する必要がある)
一般消費者向けのブログというのは競合が多いので、法人を相手にするようなブログの方が稼げる可能性が高い。ちなみに法人向けで私がやりたいと思っている分野が、ファクタリング・サービサーなどの債権回収や助成金・補助金系。高単価かつ、美容やエステなどと比較して競合が少ないので、こういった分野を狙っていくことをお勧めする。
サロンに入会したりセミナーに行くべきか
私自身、もともとブロガーを目指していなかったということもあり、サロンに入会したり、セミナーに参加したり、書籍を購入したことは一切ない。そのため、入会すべきかどうか質問されることがあるが、個人的にはネットで全ての情報が出回っているので、必要ないと考えている。
ただ注意して欲しいのは、参考にする情報は「アクセスを稼ぐノウハウ」「Wordpressの使い方」といった内容で、「稼ぐ方法」といった記事は参考にすべきではない。
中には参考になる情報が書かれている記事もあるが、アフィリエイトを目的とした記事が多く、客観性・中立性に欠ける内容が多いので、無闇に信頼してしまうと危険。(本当はAよりBの方が良いと思っていたとして、Bを紹介しても手数料が貰えないのであれば、手数料が貰えるAを紹介するため)
私自身アフィリエイトで収益化しているので、アフィリエイトのことを悪く言える立場ではないが、情報弱者を食い物にしたビジネスは未だに多いので注意が必要だ。それもあってこの記事に関しては、アフィリエイトは敢えて貼らないようにしている。
ブログの始め方としては「Wordpress」で「エックスサーバー」をレンタルして開始するのが一番良い。一通りのサーバーを使ったが「エックスサーバー」はめちゃくちゃ早く、管理画面も使いやすいのでお勧め。
アクセスを稼ぐために大切なこと
アクセスを稼ぐためのSEO対策において、一番重要なことは「ユーザの役に立つ記事を書く」ことで、このことだけに集中すれば良いと考えている。
「ユーザの役に立つ」を主眼に置くと、まず「どんなキーワードで検索してくるのだろう」ということを考える必要がある。その上で、「何を解決したい・知りたいのだろう」「どうやったらその問題を解決できるだろう」「どうやったらユーザは喜んでくれるだろう」と、ひたすら考え続ける必要がある。
そういった答えはGoogleで調べても出てこないので、自分の頭の中で考えて仮説を立てて結論を出す、という作業が必要になる。これらの作業はSEOというより、マーケティングだ。
SEO対策において、この部分の作業が8割程度を占めるはずで、それらの方法や流れを中心に勉強するべきだと考えている。それを勉強するためには「バズ部」の記事を一読しておくと良い。小手先の記述は一切紹介しておらず、本質的な数十年使えるSEO対策の知識が身につくのでお勧め。
良質な記事を書くためには、やはり実際に自分が体験したことを書くと良い。私は2018年5月にサラリーマンとして働きながら、専門家に依頼せずに自力で会社設立をしたが、この一連の流れをまとめておけば、同じ悩みを持つ人に需要があるのでは?と思い、記事として公開した。
サラリーマンがfreeeで合同会社を設立!使い方や流れを徹底解説
結果として「会社設立 freee」「会社設立 自力」で上位表示を達成でき、アフィリエイトでの売上が半年後には30万程度、この記事経由でのホームページ制作依頼が月に数件発生と、非常に効果があった。
総括
ブログは稼ぐためには根気がいるし、稼げるようになっても放置しておくと、どんどんアクセスが下がり、収益も下がるこという実例をご紹介しました。「ブログって稼げるの?」という問いに「頑張れば稼げるけど..」という回答になってしまった理由がご理解頂けたかと思います。
ただ私の例でいうと、この「WebFolio」を作成したことにより、「広告収入」ではなく「企業から仕事の依頼」を頂けるようになり、会社を退職して起業することができました。
この体験談が今読んで頂いている方に、どれだけお役に立ったかわかりませんが、「こんな人もいるんだなぁ」という感じで捉えて頂ければと思います。