作成日:2019.02.09  /  最終更新日:2020.03.07

東大卒業生がエンジニアとして 起業するまでのリアル

インタビューの趣旨

突然ではあるが、これを読もうとしているあなたは、起業をしているだろうか?それともサラリーマンとして働いているだろうか?ちなみに筆者である私は毎日平日は車両が変形するのではないかというぐらい超満員の電車に乗り込み渋谷に向かう新卒1年目の社会人である。

ネット業界ど真ん中にいる会社で働き1年が過ぎようとしている。そんな私から読者に向けて重ねて質問をしたい。「起業を考えたことはあるだろうか?」

私の回答としては、YESだ。なんなら大学を卒業する前に何かサービスを作ってやろうと鼻息荒く意気込んでいたら研究とビジコンにハマり気がつけば渋谷のフォームに立っていた。

そんな私の話はさておき、ネット業界で働くものは誰しも独立を考えたことがあるのではないだろうか。なぜ私がそう考えるのかというと会社のあらゆる人から「お前って起業とか考えてるの?」と聞かれるからだ。そして私はその質問に対して「起業は手段としては、考えてますがそれが目的にはなり得ないですね」と生意気に答えて先輩方が少し距離を空けるのだ。そんな実体験から他の業界がどうかは知らないがネット業界においては、起業を考えている人が多いことがわかる。さらに言うと今年に入り友人が2人起業したし、会社の同僚になった奴は入社3日目で起業を決心し会社から去っていった。

Skyland Venturesの木下さんが#起業しろと叫んでいるが、そのような流れが来ていることは私の周りを見てもそれを感じることができる。環境としても資金調達のハードルも昔からすると緩和されているだろうし、会社の登記の方法もネットで検索すれば簡単教えてくれる。

だが、そんな世の中だからこそ独立したその後が気になるものではないだろうか。少なくとも私は気になる。

そこで、今回は起業、独立した人に起業に至った理由や目的などを私自身がインタビューを行うことでステップアップとしようのが趣旨となる。そして今回、縁あってなんと日本の最高学府である東京大学を卒業し、社会人になったのちにエンジニアとして転身し起業すると言うエピソードをもつ高倉さんに話を伺うことができた。

高倉さんの略歴

大分県出身
2012年 東京大学卒業
同年 Webや出版物など制作会社へ新卒入社
2016 フリーランスとして独立
その後株式会社コードナインスを設立

なぜエンジニアに?

上原)そもそもではあるのですが、なぜエンジニアになろうと思われたんですか?

高倉さん)そうですね。大学での専門は教育でしたので、そこまで大きな関わりがあった訳ではありませんでした。
なのでいきなりエンジニアになった訳ではなく新卒で入った制作系の会社がいわゆるベンチャーでして仕事をこなすうちに”これもこれも”とやる仕事が多くなりweb領域のディレクションを行うようになりいつのまにかエンジニアをやっていたと言う感じでした。

上原)なるほど。それでは、なぜ新卒で制作会社のベンチャーに入社されたんですか?

高倉さん)大学時代に音楽活動などでDTMをいじっておりまして制作活動って面白なと思ったことが大きな理由として挙げられるのと、もう一つ挙げるとすれば大学の講義などでUI/UXなどに関する物がありましてそれをきっかけにユーザビリティの良い物を作りたいと思うようになり制作会社に入ることに決めた感じです。

上原)そうだったんですね。私のイメージではありますが東京大学卒業した後の就職先って外資系コンサル会社や官僚、メガバンクなどのインフラや超大手に行くようなイメージだったんですが高倉さんが結構特殊な存在なのでしょうか?

高倉さん)案外そんなことないですよ。確かに商学部や法学部などは、イメージされている通りの会社に務める人が多いかも知れません。ですが、教育学部って自分で言うのもおかしな話なんですが、こいつ就職どうするんだみたいな奴が多くてお互いにそう思ってるような状態でしたw。女性はしっかりしているんですけどね。なので結構自分の好きなように動いている人は割と多かったので特に違和感とかはなかったです。

なぜフリーランスに?

上原)それでは、制作会社で働いて仕事もサクサクとこなして充実した生活だったと思うんですけどなぜフリーランスとして独立されたんでしょうか?

高倉さん)会社での成り行きでエンジニアみたいな立ち位置になったんだけど、プログラミングを行うこと自体が楽しくなってきてしまってもっと自由にゴリゴリとコードを書きたくなった。そうなると業務の縛りがある会社ではなくて独立が最適な手段になった感じです。

独立に対しての不安

上原)なるほど、今時の自由な働き方を求めてって感じですね。でも、フリーランスって自分で仕事をとって来ないと給料とかもらえないじゃないですか。お金周りとかって不安ではなかったですか?

高倉さん)特には考えませんでした。目的に合わせて手段を選んだだけなので。それにWeb業界は、いち早く法人が個人に仕事を委託できる仕組み出来上がり、その仕組みが広がり定着をしていると感じていた。と言うのも会社員時代に自分が発注する立場で個人に業務委託をしたことがあるのでフリーランスとして働くことはイメージしやすかった。

上原)そうだったんですね。実際に仕事って最初どうやってもらってたんですか?

高倉さん)前職の会社から仕事をいただいたりするのとクラウドテックで業務委託のお仕事も紹介していただけたので仕事がないって言う状態はなかったです。現在は、共同で起業した弟が大学時代に関わっていたプログラミングスクールのGeekSalonの開発教材の監修も行なっていたりします。

起業してこれからやって行きたいことは?

上原)現在、様々なお仕事をこなしており充実されているかと思いますが、これらの経験を元に作りたプロダクトなどはあったりしますか?

高倉さん)まだ抽象的にしかまとまっていないがある程度こんな方向性でと言うのは持っています。現在、楽曲のモックアップを簡単に作れるwebサービスのwebbyjamをリリースしております。

こちらのマネタイズも大きな目標として目指しつつ、WebbyJamの研究開発で蓄積できているWeb Audio関連の技術を活かし、直観的に「これってすごくかっこいい」「自分で作ってみたい」と多くの人に思ってもらえるようなプロダクトを作りたいです。

音楽とプログラミングで違いは当然ありますが、ギターが弾けたらかっこいいから弾けるようになりたい、というのと同じでこれが自分で開発できたらかっこいいから挑戦したい!という理由でプログラミングを学ぶ人が増えたら面白いと思うんですよね。

そんな動機付けができるようなプロダクトを作るのが今のところ一番の目標です。

実際に自分がロンドンでのカンファレンスに行ったとき、すごく面白いプロダクトの実演を見て直観的にかっこいいと感動しまして、誰もがこんな体験ができればと思っちゃったんですよね。

一方で、学ばなくてもプログラミングをカジュアルに楽しむだけの人がいてもいいと思ってるんです。簡単なコードを書いて楽しい体験ができる、それ以上は問わない。
WebbyJamもまさに作曲の面白い部分だけを誰でも味わえる、というコンセプトでした。

上原)そうだったんですね。確かに直感的に成果物に対して魅力を感じ、それを実際に自分の手で作れるんだと言うことを実感できると学習のモチベーションは上がりそうですね。本日は、お時間を頂きありがとうございました。また、別の話題にてお話をお伺いできればと思いますのでこれからもよろしくお願いします。

高倉さん)はい。ありがとうございました。

渋谷で働くネット広告マンです。大学生のときからwebサービスとスタートアップが好きなちょっと変な人です。資金調達関連や新しいテクノロジーを身近に感じるためにネット広告会社に新卒入社しました。

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