BUMPとは?
BUMPとは、1話3分のショートドラマを配信する動画プラットフォームサービスである。
ターゲットユーザ層
・短い時間で楽しめるコンテンツを好むZ世代
・短尺で無理なくドラマを作りたいクリエイター
BUMPの特徴・メリット
最初から短尺ドラマ専用のプラットフォームとして登場したのが特徴だ。時流に乗っている。
BUMPの費用・料金体系
ユーザーは1話毎に課金して(あるいは最初の数話無料で)ドラマを視聴できる。
クリエイターには、有料話数の35%が収益として支払われる。
つまりユーザー課金額の65%+広告収益が運営会社に入る。
2023年のプレシリーズAでの2.6億円調達時のリリースでは、収益の7割がユーザー課金、残り3割が広告収益であった。
このようなエンタメ系アプリにおいてユーザー課金の割合が高いのは凄いことだ。
BUMPの導入事例
アプリの総ダウンロード数200万回を超え、様々な新興制作会社やインフルエンサー事務所がショートムービーをBUMP上で配信しているようだ。
執筆者の所感
日本のメディア消費環境は、スマートフォンの普及とソーシャルメディアプラットフォームの進化により、従来のマスメディア中心の構造から大きく変貌を遂げている。特に、15秒から3分程度の短尺動画コンテンツは、若年層を中心とした視聴者の情報消費行動を根本的に変化させており、企業のマーケティング戦略における重要性が急速に高まっている。この変化の背景には、ユーザーのライフスタイルにおける「すきま時間」の活用ニーズと、スマートフォンに最適化された縦型動画フォーマットの普及がある。さらに、従来の長尺動画と比較して制作コストが低く、視聴者の心理的ハードルも低いため、コンテンツ制作と消費の両面で参入障壁が下がっている点も重要な要因である。これらの要因が複合的に作用し、短尺動画市場は単なる一時的なトレンドではなく、日本のデジタルメディア環境における構造的変化として位置づけられるようになった。
日本の短尺動画市場における市場規模は、複数の調査データから顕著な成長トレンドが確認されており、特に縦型ショート動画広告市場の拡大が注目される。サイバーエージェントの調査によれば、縦型ショート動画カテゴリは前年比171%成長を記録し、2024年の市場規模は900億円に達し、2028年には2,028億円まで拡大する予測が示されている。この成長率は、動画広告市場全体の成長率を大幅に上回っており、企業の広告投資配分において短尺動画への注目度が急速に高まっていることを物語っている。短尺動画市場は、もはや単なるトレンドではなく、日本のメディア環境とビジネス戦略における構造的変化の象徴として、長期的な戦略的投資の対象として位置づけられるべき重要な市場領域である。
一方で、確かに「ショート動画広告」の市場は成長すると思うのだが、「ユーザーが、ショート動画を、お金を払って視聴する」市場はどれほど大きいのだろうかと筆者は疑問に感じている。ユーザーがコンテンツに対価を支払う市場全体を理解するために、既存の定額制動画配信(SVOD)市場について調べてみた。2024年の日本国内SVOD市場規模は推計5,262億円(前年比4.1%増)となっており、Netflix(21.5%)、U-NEXT(17.9%)、Prime Video(14.6%)が上位3サービスを占めている。10年前の2014年にはまだ614億円であったので、市場規模が800%成長したのだ。
ビデオやDVDのような形のあるモノヘの課金からデータへの課金へと、ユーザーのコンテンツ消費行動が変わったのがこの10年だったが、次の10年ではより短いデータへと、消費対象が変わっていくのだろうか。日本初の従量課金型ショートドラマアプリ「BUMP」がこれからどのような成長を遂げるのかが、市場の成長可能性を具体的に示すことになるのではと思う。
運営会社情報
会社 | emole株式会社 |
---|---|
代表 | 澤村直道 |
資本金 | 9000万円 |
設立年月 | 2018年11月 |
会社URL | https://emole.co.jp/ |