キャッシュバック賃貸とは?
キャッシュバック賃貸を通じてお部屋を借りると、1万円以上の引越し祝い金が必ずもらえる。路線・駅や地域での絞り込み検索、敷金・礼金ゼロ、駅近、新築・築浅といったこだわり条件での絞り込み検索もできる。
ターゲットユーザ層
・物件を探す側
他の賃貸情報サイトのSUUMOやHOMESで探すより、キャッシュバックが貰えるのでお得。また、リブセンスが運営するdoor賃貸では祝い金が5,000円に対し、キャッシュバック賃貸では最低1万円と保証をしている。
・物件を掲載する側
SUUMOは掲載で課金が掛かり、HOMESは反響(問合せ)で課金が掛かるが、キャッシュバック賃貸では実際に成約するまで費用が一切掛からない。成約手数料は一律2万円で、キャッシュバックの額を1万円以上から設定する。そのため最低3万円の成果報酬額となる。
キャッシュバック賃貸の費用・料金体系
大手賃貸サイトの課金方法を整理すると以下のようになる。(2015/3/26現在)
サービス名 | 課金方法 | 掲載物件数 | ユーザへのインセンティブ |
---|---|---|---|
SUUMO | 掲載課金 | 2,393,531 | リクルートpt10,000円分 |
HOMES | 反響と掲載課金 | 5,037,331 | 楽天pt6,500円分 |
door賃貸 | 反響課金 | 3,333,172 | 祝い金5,000円 |
キャッシュバック賃貸 | 成果報酬 | 1,646,111 | 祝い金10,000円~ |
SUUMOは月額の掲載料金を徴収しているせいで、掲載数を伸ばしづらいという問題点がある。
その点、HOMESやdoor賃貸などは問合せが発生した段階で費用を請求しているので、掲載数を増やしやすい。
ただ、問合せが発生した時点で費用を請求するので、同業他社の嫌がらせを受けたり、無料で問合せできると謳っているせいか質の低い(確度が低い)問合せが多かったりする。そのためか、一括で問合せをする機能がSUUMOにはあって、HOMESやdoor賃貸にはない。
こういった様々な問題を考えると成果報酬というのは、とても綺麗なビジネスモデルではあるが、今まで他社がやらなかったのは以下のような理由だと、運営元は説明している。
やはり業界の慣例が大きな壁になっていたようだ。例えば経理処理や予算処理ひとつ取っても、掲載課金や反響課金といったビジネスモデルに習って各不動産事業者の予算割りなどが決まっている。
また、大手賃貸情報サイトは既に「先払い」の広告掲載モデルで多数の営業人員を抱えているなど、業態を変更するには大きなリスクを伴うことになる。こういったいくつかの業界要因が重なって成果課金というモデルは見送られてきた、と説明してくれた。
もうひとつ、では賃貸情報のようなスタートアップが取り組めばいいじゃないか、と思う方もいるだろう。しかし、これもまた難しいかもしれない。
そもそも不動産サイトには物件情報を取り扱う複数のコンバート会社などがあるのだそうだ。数百万件という物件の情報はこのような複数の管理会社、そしてシステムを通じて掲載される。まずこの仕組みに精通してないと取り扱いが難しい。
http://thebridge.jp/2014/04/cash-back-chintai-raises-100m-yen-from-global-brains
一度確立したビジネスモデルを変更しようとしても、社内の体制や既存客との整合性が保てないということだろう。 このサービスの認知が拡大すれば、物件を探すユーザにとって、SUUMOとHOMESよりインセンティブが大きいため、ユーザがこのサービスに流れ込むことが考えられる。
ただこれを受けてか、他の賃貸サービスもポイントなどでユーザへのインセンティブを強化しており、今後競争が激化するのではと考えられる。
執筆者の所感
賃貸業界を整理すると、
A. 自社の物件を掲載しているサイト(CHINTAI・いい部屋ネット・アパマン)
B. Aの物件を掲載するポータルサイト(SUUMO・HOMES・キャッシュバック賃貸)
C. Bの物件を二次利用として掲載するサイト(Yahoo不動産・excite不動産・goo不動産)
この仕組みのせいで同じ物件が色んなサイトで紹介されているという現象が発生している。ポータルサイトのSUUMO・HOMESは言わずと知れた大手だが、キャッシュバック賃貸は入居者側に祝い金をプレゼントし掲載側から完全成果報酬として新しい切り口で提供している。
祝い金の仕組みはdoor賃貸で既にあったが、掲載側への完全成果報酬は業界初となる。
運営会社情報
会社 | 賃貸情報株式会社 |
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代表 | 金氏 一真 |
資本金 | 2億1,975万円 |
設立年月 | 2012年9月 |