発注ナビとは?
システム開発会社の比較・見積もりサイトで、掲載者数1,200社の中から予算や地域、目的別などで絞り込むことができたり、一括で見積もりを依頼したりできるサービス。
掲載されている各システム開発会社の特徴や、費用例、実績などが掲載されているので、Googleで自分で検索して探すより手間なくカンタンに会社を比較することができる。
発注先選びに困った発注者向けに紹介する機能も用意しており、自分で比較して探す、一括見積もりで提案を貰う、お勧め業者を紹介してもらう、という発注者の要望に応じてシステム開発会社を探すことができる。
発注ナビの費用・料金体系
カテゴリによって費用が分かれ、月額課金型か反響課金型かを選択できる。
システム開発/アプリ開発案件の場合は1件9万円または月額10万円、ホームページ制作は1件2万円または月額5万円となっている。システム開発の案件紹介費用が1件9万円とかなり強気な費用設定で、月額プランは10万円なので、ほとんどが月額の客かと思われる。
以前私の友人から聞いた話しでは、よくある一括見積サイトと違って、相見積もりを取る数を運営側で絞っているので、比較的契約を獲得しやすいとのことだった。
クラウドソーシングや一括見積もりサイトでは、競合が10社以上になる場合が多く、提案しても契約までに至らないケースが多いようなので、案件の紹介数が少なくても契約率が高いという点では嬉しい話しだ。
この価格設定を見る限り、発注者・受注者ともに予算が潤沢な大企業をターゲットとしているのではないかと思う。
執筆者の所感
複数のシステム開発会社の様々な条件で比較したり、一括で見積もりを取ることができるため、発注先探しの手間を大幅に省くことができる。また完全無料で利用できるため一切費用が掛からない。
システム開発を検討している発注者にとって、相見積もりを取ることにより、業界相場を把握した上で依頼することができ、各会社の特色や実績を手間なく比較できるため、自社にマッチした開発会社を安く探せるメリットがある。
発注ナビのビジネスモデル
掲載企業(システム開発会社)からの月額課金モデル。 システム開発会社から毎月広告費を貰うことにより、発注者の利用料金を0円としている。
このようなマッチングサイトの多くは「成果報酬型」か「月額課金型」に分かれる。「成果報酬型」はマッチング成約時に発注総額の20%程度を請求する場合が多く、100万円で契約した場合は20万円程度、運営側から掲載企業に請求が行く仕組みだ。
「成果報酬型」のマッチングサイトは、掲載企業を集めやすいメリットがあるものの、見積額に成約手数料を上乗せしてしまうという側面がある。「BtoB発注サイト『アイミツ』のビジネスモデルを分析してみた」でも記載しているが、発注額が高くなればなるほど、成果報酬額が上がり、見積額に上乗せされるというリスクがある。
内装マッチングサービスを提供する「シェルフィー」でもビジネスモデルを月額課金→成果報酬→月額課金としているが、成果報酬にしていた際のことを以下のように語っている。
当初シェルフィーでは施工費の5%を受け取るモデルを展開したが、そうすると、施工業者は自分たちの手数料にさらに5%を上乗せしてコンペに案を出すだけになってしまった。2000万円の案件に対してシェルフィーの手数料が100万円とすると、最初から2100万円としてコンペに出してしまうということが起こったのだそうだ。
https://jp.techcrunch.com/2017/09/01/shelfy/
「税理士ドットコム」のような税理士紹介系サービスも、年間顧問料の70%近い金額を税理士に請求するため、結局は依頼者側に負担が発生する仕組みになっている。
ホームページ制作会社に一括見積もりが取れるサービス「ホームページ制作.jp」は「紹介課金型(リード課金型)」のビジネスモデルとなっている。こちらは完全にホームページ制作に特化したサービスで、かなり昔から存在する老舗サービス。制作会社から1件の案件ごとで8,000円~1万円を請求している。
発注ナビと競合にあたるであろう「比較ビズ」も「月額課金型」だが、毎月一定の広告費を請求するサービスは、見積額に上乗せされることが少ないので、発注者側として安く依頼できるメリットがある。表面上は同じようなマッチングサイトに見えても、ビジネスモデルが違うことにより、発注者側の負担が変わる可能性があるので注意が必要だ。
運営会社情報
会社 | 発注ナビ株式会社 |
---|---|
代表 | 小林教至 |
設立年月 | 2011年9月 |