BLAZEとは
ビジョンにあふれた企業・スタートアップと、これからの日本を牽引するチャレンジングなメンバーとが交流する、ピッチナイトで毎月1回程度のペースで、永田町で開催されている。スタートアップ企業以外にも毎回ゲストスピーカーとして著名な方を招いてる。今回のイベントでは、株式会社ビタミン代表高梨さんが登壇された。
今回のスタートアップの登壇者は、AR、MRなどの高い技術を活用し新たなコミュニケーション方法を提供するピスケスの代表大熊さんだ。プレゼンの内容はまさに日本の課題である都心部に人が集約され地方の過疎化を根本的に解決できる可能性を感じさせてくれるものであった。
プレゼンの内容を私の主観も踏まえてまとめさせて頂く。
円滑にコラボレーションできるバーチャルオフィス「ピスケス」
登壇者プロフィール
大熊 一慶氏
- 2011年:新卒でモンスター・ラボに入社
- 2014年:「セカイラボ」を起ち上げ、代表取締役COOに就任
- 2018年:株式会社ピスケスを創業、CEOに就任
補足:自宅ではうさぎを2匹飼っている。
ピスケスとは
AR/MRグラスを活用したテレワーカーと円滑にコラボレーションできるバーチャルオフィスシステム。
AR/MRグラスなどのデバイスを活用することにより、従来のテレワークとは異なるリアルなコミュニケーションを実現し様々な場所からコラボレーションさせる。使用用途としても会議以外にもランチや雑談などの手軽なコミュニケーションの実現、ARを活用したディスプレイの共有や共同でツールを利用するなどのこれまでにない働き方の実現が期待できる。
ピスケスが取り組む課題
ピスケスによって解決することが期待できる課題を2つ挙げる。
都心部での通勤時間・費用
日本の首都圏では平均しておよそ88分通勤時間一日に消費しているとされており、これは年間にするとおよそ2ヶ月分の労働力とされている。また、大手企業だと1人当たりのオフィス賃料と通勤費を合算した金額はおよそ80万ほどと言われている。
日本では、現在人口が減少しているためこれから労働力が低下してくることが想定されている。そこで一人当たりの労働をより効率を高める必要があり、その方法としてまずはこの通勤時間の削減が急務である訳だ。
従来のテレワークでの脆弱性
上記の問題を解決するため国がテレワークを目標立てて進めているが、進捗として想定よりも遅れてしまっている。この理由は主に3つ考えられる。
テレワークではコミュニケーションが難しい
テレワークの先進国であるアメリカでもyahooやIBMでは、テレワークを禁止している。その理由は「ベストな決定は廊下や⾷堂での新たな⼈との出会い、即席MTGから⽣まれる」と考えているためである。
これは、ネット企業に勤めている人ならわかると思うがアイディアを出す場をMTGの様に設けてもあまり良いものは出ず、逆に特に意識していない何気ない日常の方が良い気づきを生み出したりする。
日本企業ではメルカリやウォンテッドリーなどの所謂、イケてるベンチャー企業でもテレワークを推奨していない。これは記事としても取り上げられておりその理由をこの様に答えている。
「僕たちはまさにこれからの会社で、人も増やしながら成長している。みんなで力を合わせて一つの目的に向かう時です。周りの顔が見えて一体感がある、頼れる仲間がいると感じることが、組織において重要なのです」https://www.businessinsider.jp/post-171734
常に成長し続けメンバーが変動するベンチャーでは会社での業務以外のコミュニケーションがチームビルディングに置いて重要な役割を担っていると言える訳だ。
セキュリティーに不安
会社ではオフィス内のPCからインターネットに出ていく際、通信をモニタリング・コントロールすることで不正・不要なWebサービスへのアクセスを制御しているケースが多い。外出先では、VPNなどを使用することで安全な社内ネットワーク経由してwebへ接続させるなどのセキュリテイ対策を行なっている。
だが、テレワークを自宅から行う場合接続元の地理的・システム的な制約が重なりVPNでの接続が安定しないケースが起こりうる。この状態で懸念される問題が利用者がVPNを回避し監視が及ばないデバイスで業務を行い情報が漏洩してしまうことである。
勤怠・労務管理が不安
テレワークでは、実際にどの様にして働いていているかを監視管理することが難しい。また、働く側からしても自己でのテスク管理をマネジャーなどの管理者なしに自発的に行動することは難しい。よくネット会社では自責自走できる社員が多いと言われたりもするがネット広告会社で働く私の意見としては会社に管理されなければしっかりと機能しない人は多い印象を持っている。
ピスケスが提供するソリューション
上記の課題が挙げられる中でピスケスでどの様な解決できるかをまとめる。
ピスケスが提供する仕組みは従来のテレビ電話みたいな形式とは大きく異なる。AR、MRグラスを活用してリアルな空間により高度なコミュニケーションを取ることが可能となる。イメージとしては、映画「キングスマン」でのメガネをかけると卓上にバーチャルな人物が出現し会議を行うシーンがあるので参考にしてほしい。
コミュニケーションへの影響を軽減
AR/MRグラス・3Dカメラを備えたユニットを展開することで、まるで目の前にその人がいる様な感覚を実現することができる。また、VRとは異なりこのデバイスはメガネと同様で透明となっている。そのため、グラスをかけた状態でPC操作を行うことができる訳だ。
これがテレビ会議形式の場合だとカメラの視点が固定されている上にテレビ画面を見たりPCに目をやったりで忙しい。PC画面に相手を表示させることもできるが複数人で対応する際に不便になるしPCの画面を占領されるとユーザビリティが悪い。
これらのUI/UXの観点からAR/MRグラスでのコミュニケーションは優れた手法ということができる。
セキュリティへの対応
これについてはやはり自宅での就業となるとセキュリティ面での脆弱性は拭えない。だが対応策としては自宅の近辺にピスケスの対応したシャアオフィスを設けることでセキュリティ環境下での就業が可能となる。
実際にピスケスでは、シャアオフィスや駅等と連携し環境の整備を行っていく。
勤怠・労務管理・チームビルディング
労務管理についてはARボードやタスク管理アプリを活⽤し、素早く進捗共有・連携することが可能。勤怠についてもシャアオフィスなどの空間であれば同じ会社の人と働くことで管理できたり、グラスをつければ本社から就業しているかも確認することは技術的に対応できる。
業務以外でもランチや雑談などの際にもピスケスを利用してこまめにコミュニケーションを取ることができる。
賃料、交通費のコストを軽減
具体的にピスケスを導入した際、実オフィスと比べておよそ80%の削減も可能としている。これは会社の従業員数規模などの影響もあるが、都内において優秀な人材不足となっているため地方へ採用を拡大させていたりするのでこのツールを導入することにより採用できる幅も広がることも期待できそうだ。
まとめ
AR、VRによりネット上でも高度なコミュニケーションが可能になる
首都圏中心型から小さな拠点を作ることで通勤距離を短縮
地方に限らず世界とのコラボレートできる
※本記事は個人的な解釈の基、書いております。一部事実異なる可能性もありますのでご了承ください。