作成日:2020.05.24  /  最終更新日:2020.06.05

コラボレーション型プロジェクト管理ツール「Backlog」

backlogとは

Backlogのお勧めポイント

RECOMEND POINT
  • とにかく操作性が良く直感的に利用できる
  • プロジェクト管理・チーム管理・ファイル管理・バージョン管理など多機能
  • 月額費用が安く30日間無料お試しできる

Backlogとは?

「Backlog」は国内外のユーザー数が170万人を超える、日本初のプロジェクト管理・タスク管理ツール。法人・個人問わず、様々な業界での導入実績があり、特にエンジニア、プロジェクトマネージャー、デザイナー、マーケター、営業、事務などの職種で利用されている。

運営元の株式会社ヌーラボは2004年に福岡で設立された会社で、「Backlog」を10年以上前から提供しており、近年数億円規模の資金調達を受けており、Chatworkやfreeeと同様、株式上場を目指していると思われる。

制作系の会社で働く人達であれば、一度下記の動画を見て欲しい。そうすれば、このツールがどんなモノなのかイメージできるはずだ。

この記事ではプロジェクト管理・タスク管理を使ったことがない企業向けに「Backlog」を導入すると、どんなメリットがあるか、解説していこうと思う。

ターゲットユーザ層

メールやスプレッドシートでタスク管理を行っている企業や、ファイル共有、タスク管理、バージョン管理などで利用しているツールが多岐に渡ってしまい、一元管理したいと考えている企業にお勧め。業界としてはホームページ制作会社、システム開発会社、広告代理店など、クライアントワークを行うIT企業にとっては、業務効率の大幅な改善が見込める。

Backlogの特徴・メリット

タスクが明確になり、進捗状況が可視化できる

「誰が」「何を」「何日までにやるか」というのを、メールやExcel、メモ帳で管理している企業も多いと思われるが、WEB上で管理することにより、タスクの内容・担当者・期日が明確になり、作業のし忘れ、スケジュールの遅れなどを削減できる。

タスクの一覧画面

Backlogのタスク一覧

タスクの詳細画面

Backlogのタスク詳細

「Backlog」では各タスクの種類(カテゴリ)や優先度、作業の進捗ステータス、親課題と子課題にタスクを分割しての管理ができる。またタスクの更新状況を管理画面上で通知したり、メールアドレスへの通知もできる。

タスクの進捗ステータス

Backlogのタスク進捗

タスクの更新状況

Backlogのタスク更新状況

プロジェクトのスケジュールを可視化できる

キャンペーン、ホームページ制作、システム開発など、成果物に期日があるプロジェクトは、それに関わる人員が何人いて、それぞれが何日までに何の仕事を完了させる必要があるか、を全体的に管理する必要がある。

「Backlog」はこのプロジェクト管理を視覚的に表現する「ガントチャート」で可視化でき、作業が計画通りに進んでいるか確認できる。タスク管理で作成した内容から自動的に「ガントチャート」の作成ができる。

Backlogのガントチャート

当然プロジェクトに関わるメンバーは社内の従業員だけとは限らない。代理店やクライアントなど作業を進める場合があるが、それらの人達を巻き込んで、一つの管理画面で情報共有や作業ができる。管理者は各ユーザに適した権限を振り分けをすることにより、編集/閲覧権限の設定ができる。

Backlogの閲覧権限

また作業全体の進捗状況を可視化することもでき、未対応・処理中・処理済・完了がそれぞれ何個あるかを確認できる。

Backlogの進捗状況処理

さらに「カンバンボード」機能を使えば、各進捗の担当者と期限を簡単に可視化でき、直感的に操作して内容/ステータスを変更できる。

Backlogのカンバンボード機能

ちなみにこれらの機能はスマホでも同様に利用できるので、外出先でも簡単に状況把握ができる。

社内資料を従業員に共有できる

「Backlog」には会議の議事録、作業マニュアル、仕様書など、複数人で共有する書類を管理できる「Wiki機能」が用意されている。議事録や仕様書はテキストファイルで共有ソフトや社内サーバーにアップすれば必要なくね?と思われる企業も多いと思うが、デメリットとしては更新性の悪さと、どこにアップされているのか探す手間が挙げられる。

「Wiki機能」の良い所は、アメブロやライブドアブログのように、誰でも簡単に投稿・編集でき、あらゆる情報・資料を情報の一元管理し、WEB上から検索できる点だ。当然ファイルの閲覧権限や編集権限も設定できる。

BacklogのWiki機能

また議事録やマニュアルなどの用途ではなく、普段の業務で気づいた点や、改善点などのナレッジを溜め込むことができ、サービスの品質向上に繋がる可能性がある。

開発ソースをバージョン管理できる

「Backlog」はバージョン管理システムのGitやSubversionのリポジトリ機能を備えているため、開発周りの仕事で大幅に作業効率を改善できる可能性がある。

ある程度の規模感の会社やITリテラシーがある会社では既にGitなどのバージョン管理ツールを導入していると思われるが、使ったことがない企業にはぜひ一度活用して欲しい。

Backlogのバージョン管理機能

上記の画像にもあるように、誰が何のファイルのどの部分を変更したかが閲覧でき、ソースコードをクラウド上で管理できる。

リポジトリ機能を使えば、ソースコードのレビューができ、変更箇所は色分けて表示されるので、誰がどこに変更を加えて、どこをチェックすべきかすぐに判断できる。またソースコードを指定してコメントを残せるので、フィードバックも簡単にできる。

上述したようにWiki機能があるので、開発プロセスをドキュメントで管理することもできるので、開発・チェック・修正のフローにおける業務時間を大幅に効率化できる。

Backlogのバグ管理機能

また、上記の画像のようにシステムのバグを管理する機能も用意されている。バグの発生日時や報告者、再現方法、修正履歴、修正方法、重要度、テスト状況を管理でき、管理画面上で報告者にバグの詳細な内容をチャットで確認したり、完了の報告ができる。

社内・社外でファイル共有ができる

GoogleドライブやDropboxを使っている企業も多いかと思うが、「Backlog」でもファイル共有機能(オンラインストレージ機能)がある。

用途としては、ホームページ制作会社の場合、クライアントからの原稿や写真・素材、成果物のファイル(HTML・CSSファイル)、見積書・請求書などかと思われる。主にDTPデザインで利用するillustratorの拡張子(ai)や、WEBデザインで利用するPhotoshopの拡張子(psd)にも対応している。

Backlogの費用・料金体系

費用プランごとで利用できる機能に制限がかかるフリーミアム形式となっている。以下に制限される機能の一部を抜粋して、プランを比較した。

費用ユーザ数プロジェクト数ストレージ
月額2,400円(スターター)30人51GB
月額11,800円(スタンダード)無制限10030GB
月額19,800円(プレミアム)無制限無制限100GB
月額2,400円(スターター)無制限無制限300GB

どのプランでも「支払方法」を登録せずに30日間無料で利用でき、トライアル終了後に支払方法の登録と、月払い/年払いを選択する流れになる。(支払いは銀行振込またはクレカ)こういったツール系のサービスで、月額1万からユーザ数無制限で利用できるサービスは少ないので、非常に良心的な費用設定と言える。

Backlogのプランと料金

Backlogの利用の流れ

  • Step 01
    まずは無料トライアル

    無料トライアル開始の流れは、プランを選択し、フォームに必要情報を入力して送信するだけ。Slackと同様にスペースIDと呼ばれる、自社専用の部屋(URL)を作り、組織名・名前・メルアド・パスワードを入力すれば、無料で30日間利用できる。

  • Step 02
    正式に申込み

    銀行振込またはクレカで支払方法を選択し、クレカの場合は月払い/年払いを選択する。銀行振込の場合は3ヶ月分/6ヶ月分/12ヶ月分のいずれかの一括払いとなる。請求書はメールで通知され、管理画面上から都度ダウンロードできる。トライアル中のデータは全て引継ぎされる。

Backlogの導入事例

backlogの導入実績のロゴ

日本経済新聞、ソフトバンク、HIS、docomo、KDDI、KADOKAWA、freee、adobe社などの大手企業への導入実績だけでなく、経済産業省といった官公庁への導入実績もある。

経済産業省がIT化推進でBacklogを活用 — 事務作業の工数を30%削減

以下、導入した企業の感想をまとめた。

KDDIでは、新規サービスの開発やキャンペーンをより素早く実施するために、開発本部と運用本部、企画部の3部門での連携強化が必須でした。既存の管理ツールであったメールや表計算ソフトでのタスク管理・進捗共有では限界を迎えていた同部門は、タスクとプロジェクトを簡単に可視化できるBacklogを導入。結果的に、部門間での情報管理や共有に費やしていた時間的コストが0になり、社内だけでなく社外のベンダーとのコミュニケーションも円滑になりました。https://backlog.com/ja/customers/kddi/

Pepperを開発するソフトバンクロボティクスのグローバルビジネス開発チームは、多量のメールとスプレッドシートの対応に追われていました。実現性の高いプロジェクト計画の作成から進捗管理まで、プロジェクトの一連の流れを管理することを目的にBacklogを導入しました。導入の結果、パートナー企業とのコラボレーションが促進され、低コストでプロジェクト管理を大幅に改善できました。https://backlog.com/ja/customers/softbank-robotics/

リザーブリンクは、自社サービスの開発管理から業務連絡まで、幅広い業務でBacklogを利用しています。Backlogを導入する前は、社内共通のコミュニケーションツールを設けておらず、仕事の担当者や期限などを共有する手段はメールやチャット、週次ミーティングなどひとによって異なっていました。情報共有がうまく出来ていないがために起きていた、タスクの対応漏れ対策にBacklogは一役買いました。https://backlog.com/ja/customers/reservelink/

有名企業への導入実績がいくつかあるものの、個人(フリーランス)や零細・中小企業にとっても、十分使いものになるツールで、お試しであれば30日間無料で利用でき、上述したように月2,400円/月11,800円/月19,800円/月50,000円と、いくつかプランが用意されているので、自社の規模感に合わせたプランからスタートできる。

執筆者の所感

日本発のサービスで圧倒的に使いやすい

プロジェクト管理で有名な「JIRA」、タスク管理で有名な「Trello」は海外のサービスということもあり、近年日本語化されつつあるが、基本的に英語なので敷居が高い。しかし「Backlog」は日本発(福岡発)のサービスで、管理画面は全て日本語化されており、こういったプロジェクト管理ツールの導入が初めての企業でも敷居が低くなっている。

私自身、ホームページ制作業務を行う職業柄なので、様々なツールを使っているが、ITリテラシーがない人にとって使いづらいツールを導入してしまうと、複数人で使う都合上、上手く使いこなせない問題が発生する。また多機能なツールほど複雑化してしまい、定着しにくい側面があるため、誰にとっても使いやすく、極力シンプルなツールが良いと考えている。

その点、「Backlog」はITリテラシーが低い層にも使いやすく、部署間を超えて活用できる。また、豊富な機能で一見すると複雑に思えるものの、普段使わない項目はデフォルトで非表示にする設定ができたりと、とにかく「誰でも」「使いやすい」ツールとなっている。

契約は組織単位で1ユーザごとに費用がかからない

通常こういったクラウドサービスは、1ユーザごとにお金がかかる。そのため従業員の人数が多ければ多いほど、掛け算的に費用がかかることになるが、「Backlog」は1アカウントで複数ユーザが利用できる。

また中小企業であれば、プレミアムプランで十分に活用できるが、料金が月額約2万円と格安。たったの月2万円で、業務効率の改善を見込むことができる。

運営会社情報

会社株式会社ヌーラボ
代表橋本 正徳
設立年月2004年3月
会社URLhttps://nulab.com/ja/
MORII RYOJI

MORII RYOJI

士業に特化したホームページ制作会社オルトベースの代表。24歳の頃に何か面白いWebサービスを開発するため、自分自身の忘備録としてスタートアップのビジネスモデルをまとめ始めたのが「WebFolio」で今年で5年目。何かあれば気軽にFacebookから連絡してください。

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