エキテンとは?
エキテンは東証1部上場企業のデザイン・ワンジャパンが運営する店舗の口コミサイト。
整体、マッサージ、エステなどのリラク系を中心に、ヘアサロンやネイル、塾、歯医者、飲食店など、150業種以上の店舗が掲載されている。全国で471万店掲載されており、エリアや駅から検索して、様々な店舗の口コミを見た上で、来店予約や空室確認をすることができる。
掲載に際しては無料掲載プランと有料掲載プランがあり、ユーザー(利用者)、運営側、店舗側を図解すると、下記のようなビジネスモデルとなる。
食べログやホットペッパーと同じようなサービス・ビジネスモデルとなっている。
エキテンの費用・料金体系
エキテンには無料掲載プランと有料掲載プランがある。
無料掲載プランではエキテン上に店舗の情報ページを作成することができ、お店のPRをすることができる。またクチコミにも返信ができるようになる。
参照元:エキテン無料掲載のご案内
有料掲載プランは初期費用30,000円、月額費用5,000円となり、店舗の情報ページをより充実させたり、販促機能が利用できたりと、よりPR・集客できるようになる。
一般掲載 | 無料掲載 | 有料掲載 | |
---|---|---|---|
公開情報 | 基本情報 | +紹介文、写真、メニュー紹介 | +お知らせ配信、動画配信、広告排除 |
サポート | なし | お問合せフォーム | +担当コンサル、サポートセンター |
販促機能 | なし | クーポン掲載(最大1枚) | クーポン掲載(最大4枚)、エリアマッチ枠、近隣店舗のページ内でのPR掲載、口コミ返信機能 |
アクセス解析 | なし | あり | あり |
ページ制作代行 | なし | なし | あり |
掲載客数は合計471万社とホームページ上に記載されているが、IR資料を見ると、有料掲載客が約2万社、無料掲載客が約22万社となるので、勝手に情報を掲載している客(一般掲載客)が447万社存在するということがわかる。勝手に情報を掲載と書くと印象が悪いが、こういったポータルサイトでは一般的な手法で、食べログもそうやって掲載数を増やしている。
エキテンの利用の流れ
- Step 01フォームに情報入力
フォームに店舗情報などを入力して送信
- Step 02確認・審査
申込み内容を運営側で確認・審査
- Step 03ページ公開
申込みから最短2日で店舗ページを公開
エキテンの評判/クチコミ
「当店を知ったきっかけはエキテン」というお客様が増えました。エキテンに掲載されているお店は安心できるみたいです。口コミ情報を見てから、当店のホームページでさらに詳しく調べられているお客様が多いようですね。
同業者の友達にエキテンをオススメされたのが始めたきっかけでした。今では新規のお客様だけで月20名の集客に繋がっています。Yahoo!・Googleで検索しやすいので多くのユーザー様にうちの店舗ページを見て頂いており、口コミを見た新規のお客様の集客に繋がっているのかと思います。口コミ集めを頑張ってます
エキテンに登録することで、きちんと営業している店舗だとお客様に知ってもらえるようになったと感じます。「エキテンの口コミを見てきました」というお客様は大変多いので、営業・集客をする上で欠かせないです。
クーポンで新規のお客様の来店が増えました。また、今までお客様が満足しているかどうかわかりませんでしたが、口コミでお客様の声がリアルにわかるため非常に助かります。エキテンを利用して良かったです。
開店と同時にエキテンへ無料で登録しました。 はじめは無料で使っていたのですが、エキテンの担当さんからお話を聞いて、集客に繋がりそうなイメージがついたので有料で始めてみました。 実際に今はエキテンからのお問い合わせがとても多いですね!月に1000前後のアクセス数も取れています。Yahoo!やGoogleで『地域×業種』『口コミ・評判』で検索がしやすいことが多くの方に見ていただける要因かと思います。
参照元:エキテン無料掲載のご案内
執筆者の所感
2020年8月期 第3四半期決算説明資料を参考に、売上構成・推移を調査してみた。
同社の売上の大半は有料掲載客からの月5,000円の掲載課金となり、有料掲載客の55%がリラク系、8%がヘアサロン、他が歯医者/エステといった内訳となる。
IR資料を見ていると、2018年8月をピークに有料掲載客が減少し続けており(2.3万社→1.9万社まで減少)コロナの影響を受けていない時期で見ても減少していることがわかる。
有料掲載客の減少に伴い、売上が下降傾向にあり、2018年6月時点で1株1280円だったのが2020年10月時点で1株250円まで低下している状態。株価が下がり続けており、IR資料にはアクセス低減が理由、と記載されている。
ahrefsでアクセス数を調査してみると、2018年3月~のアクセス低下が著しい。2019年3月までアクセスが低下し、現在は回復傾向にあるものの、ピーク時に比べるとかなりアクセス低減していることがわかる。
※ahrefs上ではピーク時月間240万、直近は90万のアクセス数となっていますが、これは検索順位からの推測となる。肌感としては、このアクセス数×2~3倍が正しい。
適当に「リラク/美容系+地域ワード」で検索すると、あらゆる地域でホットペッパービューティ、EPARKに検索順位で負けている印象。(他タウンページ、マチマチなど)
このようなポータルサイト系は、Googleのアルゴリズム変更の影響を受けやすく、キュレーションメディアが流行っていた時あたりから、順位変動が激しいイメージ。特に医療系のワードは、実際に地域名で検索するとわかるが、各クリニックのコーポレートサイトが上位表示される傾向がある。(新宿駅のお勧めクリニック10選的な記事や、ポータルサイト系のリストページの順位が数年前より大きく下がっている)
また数年前からGoogleマイビジネスが順位の最上位に表示されるようになったので、こういったGoogleの仕様変更により、アクセス低減がしているのでは?と考えられる。
そもそも競合のリクルートがSEOやリピーター化が非常に上手いので、検索順位や利用者数の増加はかなり難易度が高い印象。ホットペッパーグルメ、ビューティー、じゃらんのどれかのアカウントがあれば簡単に利用できるのは強い。自分も美容室やマッサージの予約をする場合「ホットペッパービューティ」で指名検索して探しているので、エキテンを見る機会がそもそもない。(特にホットペッパービューティは美容室に特化したサイトなのでエキテンより利便性が高い印象、エキテンは総合サイトなので各利用シーンに応じて最適化していないイメージ)
こういったポータルサイトはメディアを運営してアクセスを稼ぐのが王道手法ではあるが、特にメディアを運営していないように見受けられるので、いかにテナントを集めるか、クチコミを集めるか、の2点にフォーカスした運営を行っていると思われる。
飲食店のクチコミサイト(食べログ、ぐるなび、Retty)では熾烈なコンテンツSEOの争いが繰り広げられている。「池袋 居酒屋」で検索すると、リストページではなく、相変わらず「お勧め〇選」的な記事が上位表示されている。
同社でも、そういったキュレーション的なメディアを運営すれば、もっとアクセスが増えるのではないかと思う。とにかくGoogleありきのビジネスモデルなのにも関わらず、SEO対策が下手な印象を受ける。
勝手な推測だがホットペッパー系が成功した理由の一つに予約管理システムが関係していると考えている。テナント側は掲載すると月額数万円と結構な費用がかかるが、顧客の予約状況を自動的に管理できるので、逆に他の経路から予約が発生しても困ると聞いたことがある。
自社の独自ホームページの予約フォームをクリックすると、ホットペッパーにリンクさせているテナントも多いと聞いたことがある。この業務の根幹部分を握れると、解約しづらくなるので、相当メリットが大きい印象がある。エキテンを復活させるためには、メディア運営と予約システムの強化が最適解だと思われる。
運営会社情報
会社 | 株式会社デザインワン・ジャパン |
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代表 | 高畠 靖雄 |
資本金 | 648,092,000円 |
設立年月 | 2005年9月 |
会社URL | https://www.designone.jp/ |