IT界隈の人々は、息をするように「起業したい・サービスをローンチしたい」と嘆いている。よくある話としては、起業したいと叫んでいる人に「なぜ起業しないのか?」と問うと「資金が無い」と答え、付け加えて「アイディアはあるんだけどなぁ」とため息をつく。こんな人が周りにいたら是非ともピッチイベントやビジネスコンテストを勧めるといいだろう。
万が一にも、うまくいき順調に投資ラウンドを順調に進みIPOした暁にはストックオプションをねだり大儲けできるかもしれない。
それ以外にもビジコンやピッチイベントなどのアイディアは一部公開されているケースもあるので、既に事業を行っている人やこれから始めようとしている人の参考にもなるのでチェックして置いて損は無い。そして自分のサービスを世に知ってもらい資金調達する手段として利用する際も開催時期や内容は知っておく必要はあるだろう。
また、学生で起業を考えている方には「WILLFU」というビジネススクールがおすすめだ。WILLFUはサイバーエージェントが出資している「起業」を学びの軸として学習の場を提供しており、他にも同世代の起業家が集まるコミュニティとしても機能していたりメガベンチャーとの接点作りなども提供している。無料で説明会や体験授業を行なっているので気軽に足を運んで見ると良いかもしれない。
目次
- 1 ピッチイベントとは?
- 2 TechCrunch Tokyo
- 3 Monthly Pitch
- 4 Morning Pitch
- 5 INNOVATION LEADERS SUMMIT
- 6 IVS Launch Pad
- 7 国際イノベーション会議HackOsaka
- 8 No Maps NEDO Dream Pitch
- 9 人生100年時代”を切り拓く シニアライフ・イノベーション・チャレンジ
- 10 スタートアップ・カタパルト
- 11 モーニングミートアップ
- 12 Get in the Ring Osaka
- 13 TOKYO STARTUP GATEWAY
- 14 Slush Tokyo
- 15 TORYUMON
- 16 SEEDS
- 17 BLAZE
- 18 終わりに
ピッチイベントとは?
そもそもピッチイベントとは何かというとスタートアップ企業が投資家などに対して自社のサービスをプレゼンテーションするイベントのことである。目的としては、大きく分けて下記の3つが挙げられる。
- サービスの認知拡大
- パートナ企業の発見
- 資金調達
1つ目は、認知拡大であるがイベントには各方面のメディアなども出席していることが多い。また賞などを獲得できればイベントページに掲載されたり、プレスリリースなどで取り上げられたりするのでお金をかけることなくサービスの認知を拡大することができるのだ。
2つ目は、パートナー企業の発見である。自社ではできないことを業務提携という形により他社のリソースを借りながらお互いにシナジー効果によりサービスを強化させることができるかもしれない。サービスにもよるが大きい会社の支援を受けることができれば一気に世の中の注目を集めることもできるのでスポンサーサイドの企業もチェックしておく必要がある。
最後が資金調達である。この目的が最大と言っても良い。スタートアップの時点では、会社を立ち上げたはいいが資金不足によりサービスをローンチさせることはできていないような会社も沢山いる。そんなとき、サービスの将来性、市場優位性、収益性を示すための事業計画などをプレゼンし、投資家やVCなどからサービスをローンチするため、グロースさせるための資金を出してもらうため場でもあるのだ。
以上から、まさにピッチイベントとは起業家にとっての登竜門と言えるのだ。そんなピッチイベントやビジネスコンテストについてまとめる。
TechCrunch Tokyo
【URL】 https://jp.techcrunch.com/event-info/techcrunch-tokyo-2018/
【前回日時】2018年11月5日、16日(例年11月中旬)
【場所】渋谷ヒカリエ ヒカリエホールA・B(東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F)
【スポンサー実績(参加企業)】 主催-Oath Japan株式会社 (Microsoft、pwc、IBM、MUFG、JETRO etc…)
所感
国内最大規模のピッチイベントであり、登壇者にはサイバーエージェントの藤田氏やメルカリの山田氏などがおりスタートアップバトルでは優勝賞金100万円が贈呈される。そして、何よりもTechCrunchに掲載されるチャンスというのが大きい。TechCrunchは2005年にシリコンバレーでスタートした。スタートアップの紹介であったりインターネットの新しいプロダクトのレビュー、を扱うテクノロジーメディアでありどの業界に対してもかなりの影響力を持っているメディアである。出場のハードルがかなり高いが、スポンサー企業もかなりいるため力試しとしては最高の舞台と言える。
Monthly Pitch
【URL】 http://monthly-pitch.com/
【日程】 毎月第2水曜日
【場所】 渋谷マークシティ ウエスト
【スポンサー実績(参加企業)】 東急不動産、AGSコンサルティング、住友不動産、株式会社サイバーエージェント・ベンチャーズ
所感
Monthly Pitchはサイバーエージェント・ベンチャーズが運営しており支援実績としても若い企業が目立つのが特徴である。毎月なんども挑戦できるという点もかなりシード段階のスタートアップからすると嬉しい対応であり、投資家の意見もアンケートやネットワーキングと通じて意見を聞くことができPDCAをより早くわまして行くことができるのが魅力。
Morning Pitch
【URL】 http://morningpitch.com/
【日程】 毎週木曜AM7時~AM9時
【場所】 新宿野村ビル48階
【スポンサー実績(参加企業)】 朝日新聞、日刊工業新聞、KKDI、SDK、JAFCO、IBM etc…
所感
デロイト トーマツ ベンチャーサポート株式会社、野村證券株式会社の2社が幹事となり開催しているイベント。毎週テーマが決まっておりそのテーマに沿った内容で各週5社ほど大企業・ベンチャーキャピタル・メディア等のオーディエンス約100名に対しプレゼンを行う。累積の実績として2018年8月時点で全250回、累計1,200社超のベンチャー企業が登壇している。対象として学生などが登壇できないようだが各週、行われているのでハードルとしてはそこまで高くはないと言える。
INNOVATION LEADERS SUMMIT
【URL】 https://www.dreamgate.gr.jp/InnovationLeadersSummit/new/
【前回日時】2018年10月22日~24日(例年10月下旬)
【場所】虎ノ門ヒルズ
【スポンサー実績(参加企業)】Panasonic、Nikon、TOSHIBA、RICOH、DENSO、SEIKO、TOYOTA etc…
所感
株式会社プロジェクトニッポンが運営しているイベント。資金調達を目的としたイベントというよりは有能なテクノロジーやサービスを持ったベンチャー企業とそれを生かして事業展開をしたい大企業とをマッチさせるようなイベント言える。つまりスタートアップの中でもシード段階ではなくシリーズAほどまで資金調達を行なっておりサービスを導入活用してもらい黒字化させるタイミングの企業などが参加するイベントと言える。基本的にはtoBが多い。
IVS Launch Pad
【URL】 http://ivs-launchpad.strikingly.com/
【前回日時】 2018年12月19日
【場所】 不定
【スポンサー実績(参加企業)】 docomo、パーソル、SOICO、AGS、住友不動産、DAIKO、大阪ガス
所感
IVSとは、 Infinity Ventures Summit(インフィニティ・ベンチャーズ・サミット)の略である。主にインターネット業界のトップレベルの経営者・経営幹部が一堂に集まり、業界の展望や経営について語るイベントでありその中にピッチイベントもある。年2回行われているが招待制オフサイト・カンファレンスであるために誰でも応募資格があるわけではなく過去の登壇者に連絡をとり招待してもらう方法が有効的と言える。
国際イノベーション会議HackOsaka
【URL】 https://www.innovation-osaka.jp/hackosaka/
【日程】 2019年3月13日
【場所】 グランフロント大阪ナレッジキャピタルB2階
【スポンサー実績(参加企業)】 阪急電鉄株式会社、株式会社コングレ、日本ベンチャーキャピタル株式会社、ハックベンチャーズ株式会社 etc…
所感
「オープンイノベーションシティ」を掲げる大阪市が、年に一度開催する国際イノベーション会議がHackOsakaである。応募要件にいくつかのテーマが設定されておりそれに沿った事業を応募することができる。2019年のテーマは「デジタルヘルス、トラベルテック、スマートシティ、スポーツテック、フードテック」となっており国際会議ということもありプレゼンは英語にて行わないといけないというハードルがある。
No Maps NEDO Dream Pitch
【URL】 https://nedo-tcp.jp/nomaps/
【日程】 例年10月中旬
【場所】 札幌市中央区南4条西6丁目5番 タイムズステーション
【スポンサー実績(参加企業)】 東京大学、国立研究開発法人、日本ベンチャー学会、Beyond Next Ventures株式会社 etc…
所感
札幌にて行われるピッチイベントで、地域経済の活性化、新規産業・雇用の創出を目的としている。選考に通るとメンターからのアドバイスをもらいブラッシュアップしたのちにプレゼンをすると行った流れ。No MapsとNEDO、経済産業省によって運営されている。
人生100年時代”を切り拓く シニアライフ・イノベーション・チャレンジ
【URL】 http://www.dhconnect.jp/contest/2018/
【前回日時】 2018年7月27日
【場所】 渋谷道玄坂東急ビル1F
【スポンサー実績(参加企業)】 デジタルヘルスコネクト、SOMPOホールディングス株式会社、SOMPOケア株式会社、Plug and Play Japan、東急不動産株式会社
所感
シニア世代をターゲットにした革新的なビジネスを展開できる期待があるスタートアップ企業の発掘が目的。そこで対象事業もグローバル展開が可能なサービス、介護・ヘルスケア領域が指標となるがそれ以外の事業についても応募可能。
スタートアップ・カタパルト
【URL】 https://industry-co-creation.com/catapult-wanted
【日程】 2019年2月19日
【場所】 グランドハイアット福岡 など
【スポンサー実績(参加企業)】 リンクアンドモチベーショングループ、IBM、dentsu、AGS、ラクスル、HONDA etc…
所感
スタートアップ・カタパルトは第一線で活躍する経営者・幹部・投資家・プロフェッショナルで構成される審査員に対して1社あたり7分間のプレゼンテーションを行うプログラムとなっており、参加者は招待制となっているため審査員以外の観覧者も有力な人が多かったりする。開催頻度は年に2回であり、2019年の商品としては、ラクスル社から「100万円分のTVCMの権利」や日本アイ・ビー・エム社からもクラウドサービス利用権などの賞品提供がある。
モーニングミートアップ
【URL】 https://www.innovation-osaka.jp/ja/morning-meet-up/
【日程】 毎月第2・4金曜日の朝7時
【場所】 グランフロント大阪ナレッジキャピタルタワーC7階
【スポンサー実績(参加企業)】 主催トーマツベンチャーサポート(株)
所感
モーニングミートアップを運営している大阪イノベーションハブ(OIH)は「大阪から世界へ」をテーマに、新たな事業の創出やスケールアップにつながるイベント・プログラム(年間約200回)を開催している。施設やメンターの補助などスタートアップには嬉しいサポートを受けることが可能。
Get in the Ring Osaka
【URL】 https://www.innovation-osaka.jp/ja/global/gitrosaka2018/
【日程】 2019年2月28日
【場所】 グランフロント大阪ナレッジキャピタルタワーC4階
【スポンサー実績(参加企業)】 DMM.make AKIBA、さくらインターネット、富士通、サッポロビール etc…
所感
上記同様、大阪イノベーションハブ(OIH)にて運営されているイベント。ユニークな点が本物のリング上で事業を競い合うことで臨場感あふれるピッチバトルとなっている。予選は世界100ヶ国で開催されており、各国の代表者はポルトガルで開催される世界大会への挑戦権が与えられる。世界に挑戦したい起業家やイスラエル、オランダの審査員がいるので国際的な意見を聞きたい方には楽しめそうだ。
TOKYO STARTUP GATEWAY
【URL】 https://tokyo-startup.jp/
【日程】 12月1日(土)
【場所】 東京都内(10月下旬発表予定)
【スポンサー実績(参加企業)】 East Ventures、インキュベイトファンド、プロトスター、サイバーエージェントベンチャーズ etc…
所感
「TOKYO STARTUP GATEWAY 2018」は、「東京発・400字から世界を変えるスタートアップコンテスト」というコンセプのもと運営されているイベントである。内容は、アイディアベースの400文字の提案書から始まりさまざまな起業家やベンチャーキャピタリストなどの強力な支援体制のもとそのアイディアをブラッシュアップしていくような形式となっており最優秀賞では100万円の賞金を提供している。サポート企業もかなり多く何よりも主催が東京都という体制としてかなり充実している。
Slush Tokyo
【URL】 https://tokyo.slush.org/
【日程】 2019年2月22日、23日
【場所】 東京ビッグサイト
【スポンサー実績(参加企業)】 リクルート、pwc、Panasonic、JETRO、100BANCH etc…
所感
Slushは、2008年にフィンランドで始まった国際的なスタートアップ・カンファレンスである。Slush Tokyoは、「Slush Asia」をへて立ち上がり現在は、CEOである古川 遥夏氏を中心とし運用を行なっている。参加予定のスタートアップはおよそ600社にも登り、参加投資家の数は650名以上が期待されている。また、スピーチは全て英語となっており国際基準のスタートアップイベントなっている。
TORYUMON
【URL】 http://www.toryumon.f-ventures.vc/
【日程】 2019/03/16(土) 10:00 ~ 20:00
【場所】 福岡県 福岡市博多区祇園町 8-13 第一プリンスビル1F&2F
【スポンサー実績(参加企業)】 FFGベンチャービジネスパートナーズ、PRTIMES、ベガコーポレーション、LOLIPOP!、AGSコンサルティング etc…
所感
TORYUMONは、福岡を中心として運用をしてる学生向けスタートアップイベントである。定期的に東京での開催も行なっており、ゲスト登壇者の実績ではCAMPFIRE代表・家入 一真、株式会社メルカリ取締役社長・小泉 文明などがおりTORYUMONきっかけに有名になった学生起業家も少なくは無い。まだ起業を固めていない学生にとっては参加しやすいイベントとなっているので是非参加して欲しい。
SEEDS
【URL】 http://www.skyland.vc/seeds/
【日程】 毎週水曜日AM8:00-13:00/金曜AM10:00-13:00 の各15分
【場所】 東京都渋谷区道玄坂2-10-12 新大宗ビル3号館531号
所感
SEEDSは、Skyland Venturesが運営しているスピードMTGのことで資金調達の相談や事業の展開などの相談を受けるために実施してる。Skyland Venturesは、渋谷を中心として活動しており、現在までに40社以上のスタートアップに投資を行い、総額14億円を運用している。スタートアップ界隈では、かなり有名なVCとなっている。
BLAZE
【URL】 https://blaze.events/
【日程】 およそ月に一度のペース(前回2019/3/27)
【場所】 東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRiD
所感
BLAZEは、株式会社ガイアックスが運営しているピッチイベントで成長しているスタートアップ企業と日本を牽引するようなメンバーとの交流を目的としている。初回は平日の夜に行われて19:00会場だったので仕事終わりに気軽に足を運ぶことができる。
登壇者にはガイアックス出身者のマックス村井さんなどが参加し、AppBank創業の秘話や当時の働き方などを語った。個人的な感想では、あるが私もネット企業とはいえ一部上場の会社で働かせて頂いているわけでその仕事内容はある程度出来上がっている。
それと比べるとスタートアップは仕事を作り続けて行かなければいけない状況にある。要するにスタートアップで活躍する人材を発見することは容易では無いのだ。そんな難易度の高い選択を選ぶ価値のある企業をこのピッチイベントを通して探してはいかがでしょうか?
終わりに
起業を考えている人は、多いがそれを実行できる人間はわずかで起業してその会社の経営を続けるのはさらに少数である。それでも下記にまとめた様に毎年、新しいサービスはローンチしているのだ。そして新しいサービスを作っているのは、特別な人間ではなく「もっとこうなれば」と感じた出来事をアイディアにし、様々な人に話、意見をもらい形にしているケースが多い。
なので、人それぞれが感じる身近な不満に気づきそれを発信していくことが重要であると思っています。その発信する、仮説を多くの人に試す場がピッチイベントであり、視聴者としても人の考えに触れる機会でもあるので敷居の高い場所と考えるのではなく気軽に足を運んでみて欲しい。
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