Pocochaとは?
Pococha(ポコチャ)とは、DeNAが運営するライブストリーミングアプリである。
同社は「ライブコミュニケーションアプリ」という表現をしており、その名のとおりユーザー間のコミュニケーションの取りやすさをコンセプトとしている。
たとえばCMに起用されているオードリー若林に、
Pocochaは、人と人がつながる、そういう媒体だと思うので、もともと人見知りだった自分が出演させてもらえることに、自分の成長を感じました(笑)
とコメントさせている。
これは、SNSやゲームのような、コミュニケーションのプラットフォームとして当サービスを捉え、運営しているからこそだと言える。
ターゲットユーザ層
ライブ配信を初めて行う人。現在は年齢層問わずユーザー(ライバー)を抱え、20代以下、30代、40代、50代以上がおおよそ「2:2:2:1」の割合で構成されているらしい
Pocochaの特徴・メリット
ライブストリーミングのビジネスモデルとは、基本的にリスナーからのギフティング(プレゼント、投げ銭)により、ライバーが収益を得る仕組みとなっている。
Pocochaはリスナーが無課金でも楽しめる機能が用意されており、たとえばアプリ内の通貨が無料で獲得できるミッション系のイベントや、ログインボーナスである。
ここにはDeNAがソーシャルゲームで培ってきたノウハウが詰まっていると言える。
ソーシャルゲームの場合、課金しなくてもある程度までは強くなれることと、課金することで確実に強くなれるというユーザー体験の両輪がうまく回ることで、サービスがうまくいくかどうかが決まる。
Pocochaの場合ここが計算されており、ライバーがライブ配信を始めやすく、リスナーがギフティングをしやすくなる仕組みが、アクティブユーザー増加と収益性向上に寄与しているのだ。
Pocochaの費用・料金体系
Pocochaはライバーがライブ配信を行った時間に対する「時給」としての『時間ダイヤ』と、リスナーからの「いいね」や「アイテム」に応じて獲得できる『盛り上がりダイヤ』により、ライバーに報酬が支払われる。
配信時間に応じてもらえる報酬(時間ダイヤ)が「ランク」によって上下し、ランクを上げるためには配信時間、いいね数、アイテム獲得などの達成要素が設けられているという仕組みである。
ランク | 時間ダイヤ(1時間の配信で得られる金額) |
S6(最高のランク) | 5,500 |
S5 | 5,000 |
S4 | 4,500 |
S3 | 4,000 |
S2 | 3,500 |
S1 | 3,000 |
A3 | 2,500 |
A2 | 2,200 |
A1 | 1,900 |
B3 | 1,600 |
B2 | 1,400 |
B1 | 1,200 |
C3 | 800 |
C2 | 600 |
C1 | 400 |
D3 | 150 |
D2 | 100 |
D1 | 50 |
E1(はじめたときのランク) | 30 |
E→D→C→B→A→Sとランクを上げていくことで時給単価が上がることになるが、実際に上げ続けるのはライバー経験者の友人いわく難しいらしい。
配信を止めることでランクの元となるポイントが下がることになるが、毎日配信を続けることがしんどいようである。
※その友人は顔出しでモデルもやっているような、普段から他人から見られることには慣れている人である
ライブ配信を休んでも、ランクの変動を止められる「おやすみチケット」というアイテムがPocochaには実装されている。
こういったアイテムによる救済措置がソーシャルゲーム運営が得意なDeNAらしい。
Pocochaの利用の流れ
- Step 01アプリをインストールする
- Step 02生年月日、国/地域などの基本情報を入力する
- Step 03連携したいアカウント(X、Facebook、LINE、Googleアカウントなど)を選択する
X、Facebook、LINE、Googleアカウントなど、SNSアカウントで連携アプリ認証を行いログインする
- Step 04プロフィールを設定する
名前を入力する(性別の設定をしなくても登録ができる)
- Step 05配信をスタートする
初めて配信を行うときに、「性別の設定」画面が表示される。 性別を設定しなくても配信可能であり、設定すればタイムラインに表示されやすい仕様となっているようである。
Pocochaの評判/クチコミ
最近インストールしたんですが、さっそくお気に入りのライバーさんに出会うことができました!他にもこういうライブ配信を視聴できるアプリは登録しているんですが、最近はもっぱらポコチャばかり使ってますw
アイテムが他のLIVEに比べて高からず安からず、イベントに追われていない感じは好印象
確かに無課金でも地道にコインを貯めれば、それなりのアイテムは買えるけど、やはり配信者は高いアイテムの方が嬉しいからつい課金しちゃいますね(笑)
参照元:Google Play
執筆者の所感
PocochaのPdM(プロダクトマネージャー)を務める人物がインタビューで以下のように語っていました。
Pocochaは必ずしも無いと生きていけないプロダクトかっていうと別にそうではない。
衣食住に比べて必然性ないので、そこにすごい価値を感じ、毎日使ってくれていることは、非常に価値の大きいプロダクトである。
そこをより楽しんでほしいと考えられると、ただ単に何かの課題を解決するだけではなく、どのように解決すればユーザーの心が震えるのかと考えている。
ゲームも同じだが、何かガチャを引いて何もエフェクトがなく「キャラが出ました星6です」という表現がされるのと、星6のキャラだったら何か特別なエフェクトが出る場合って、どっちが心が震えるのかという話。
この施策や機能は課題を解決できているが、ちゃんとユーザーが楽しんでくれるかということを考えている。
私はPocochaが後発でもアクティブユーザーを伸ばし続ける理由がこのプロダクト思想にあると感じる。
DeNAに対してはロジカルな人材の集団という印象を持っているものの、感性的な部分に踏み込んでエンジニアリングしようとしていることがわかる。
たとえば「ゲームで課金させる」ということは決して良い印象を与える言い回しではない。しかし、娯楽にお金を払い、良い体験を得ることは自然なことでもある。
このような、「必ずしも無いと生きていけないわけではない」プロダクトこそ、うまくいっている事例から学べることが多いのではと感じた。
運営会社情報
会社 | 株式会社ディー・エヌ・エー |
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代表 | 岡村 信悟 |
資本金 | 103億97百万円 |
設立年月 | 1999年3月 |
会社URL | https://dena.com/jp/ |