ミツモアとは?
「あなたにピッタリのプロが見つかる」をコンセプトに、事業者側(以後、受注者)は2万人、累計依頼者数(以後、発注者)は10万人を突破し、急成長しているビジネスマッチングサービス。
あらゆるジャンルの仕事を依頼することができ、発注者側は無料、受注者側は初回メッセージのみ費用がかかる仕組み。
ターゲットユーザ層
・発注者側の層
写真撮影を依頼したい、家のドアの修理をしたい、確定申告の相談をしたいといった個人の方から、税務相談をしたい、許認可申請をしたい、就業規則の作成をしたい、ホームページを作りたいといった法人の方まで、幅広い層に対応している。
・受注者側の層
新規営業に苦労している、長くつき合える得意先を開拓したい、チラシや電話での営業に限界を感じている、といった悩みがある法人企業。
ミツモアの特徴・メリット
発注者側の特徴
あらゆるジャンルで相談できる
ジャンルが多岐に渡っているため、日常生活の小さい困りごとでも、対応できるプロを簡単に探すことができる。また利用者側は一切費用がかからず、電話番号は必須ではないため、気軽に相談することができる。
クチコミが多い
こういった仕事を受発注できるサービスというのは、クチコミが重要になるものの、法人取引(BtoB)だとクチコミが集めづらい特徴がある。ミツモアは個人の領域が比較的多いこともあってかクチコミが多く、業者を比較する上での判断材料が充実している。
受注者側の特徴
応募課金型なのでリスクが少ない
初回メッセージの送信時にだけ費用がかかり、以後のメッセージの費用や、初期・月額・成果報酬等の費用は一切かからない料金体系。
また依頼者への提案件数は最大5件と限りがあるため、必然的に競合が少なく、クラウドソーシングのような値引き合戦は起きづらい特徴がある。
初回メッセージの送信費用は案件のカテゴリや質によって変動する仕組みで、安いカテゴリだと165円(税込)~となっている。ただお試し期間が終了すると、初回メッセージの送信費用が高くなるようで、実際に利用しているホームページ制作会社の知り合いに聞いたところ、1通数千円はかかるとのこと。
応募課金型というビジネスモデルは、案件の紹介を受けた時点で費用が発生する反響課金型に近いが、反響課金型は案件を選べないので、実際に対応できないケースでも費用が発生してしまうリスクがある。応募課金型でも実際にメッセージを送信してヒアリングをしたら、対応できない案件だった、というケースが予想されるのものの、反響課金型に比べればリスクは少ない。
成果報酬型のサービスでは受発注が契約すると30%の手数料が発生する、というようなモデルなので、その分の手数料を見積書に上乗せされる可能性があり、発注者が知らぬ間に負担している、という問題が起きがち。応募課金型はある意味発注者に優しいビジネスモデルと言える。
マッチングサイトのビジネスモデルに関しては「アイミツのビジネスモデル」で、それぞれの収益形態ごとの一長一短を解説していますので、参考にしてみて下さい。
案件単価が安いが案件量は多い
私自身、ホームページ制作会社を運営しているが、ミツモアから定期的に案件通知のメールが配信され、都度見るようにしているが、案件単価はクラウドソーシングと変わらないと思って良いかもしれない。
発注者向けに参考価格を提示しているページがあるが、顧問税理士は年額24万、ホームページ制作は約20万程度と、発注者側は安く依頼できて良いが、受注者側の視点ではそこそこ厳しい価格帯となっている。
ただ応募課金型なので、まずは登録してみて案件を精査し、やりたいと思った案件にのみ対応する、というやり方ができる。
直接のやり取りができる
成果報酬型のサービスでないこともあり、発注者と直接会ったりして商談を進めることができる。クラウドソーシングなどの成果報酬型サービスは、その発注者から2回目の仕事が来た場合も手数料を取られ続けるが、同サービスは直接やり取りできるので無駄なマージンを取られることがない。
ちなみにアイミツは成果報酬型なので、同一ユーザからの2回目以降も手数料が掛るが、比較ビズは月額課金型なので、2回目以降の手数料は取られない。
ミツモアの資金調達の状況
- 2019年6月26日総額5億円(資金調達)
Angel Bridge / WiL / 東大創業者の会応援ファンド、個人投資家など
- 2017年6月28日総額4800万円(資金調達)
合計9人の個人投資家から約4800万円を調達。投資家の個人名は非公開
ミツモアの競合サービス
ミツモアは解決できる領域が多い反面、多数のサービスと競合している。
コンセプトとデザイン含め完全に競合しているのは「zehitomo」だけだが、同サービスの話しは全く聞かず、検索エンジン上でもあまり見かけない。他に全体的に似ているサービスとして「マイベストプロ」が挙げられるが、主にFPや士業系に特化している印象なので、ターゲット層は若干異なりそう。
それぞれの領域で競合するサービスを下記にまとめてみた。
CtoC領域
CtoC領域は受発注者が個人同士になる領域で、家庭教師や習い事などが挙げられる。スキルシェアサービスと呼ばれることもある。「ストアカ」「サイタ」「ココナラ」などが競合にあたる。
CtoB領域
CtoB領域は個人の方が個人事業主や法人企業(主に零細企業)へ仕事を依頼するケースで、家のリフォーム、不用品回収、清掃、写真撮影、ホームページ制作、相続・確定申告などが挙げられる。写真撮影やホームページ制作は「ランサーズ」「クラウドワークス」などのクラウドソーシング系が競合にあたり、リフォームや不用品回収のでは「くらしのマーケット」が競合にあたる。
BtoB領域
BtoB領域は法人企業が法人企業へ仕事を依頼するケースで、各士業(税理士・社労士・司法書士)への相談、ホームページ制作やシステム開発、オフィス・店舗内装などが挙げられる。「比較ビズ」「アイミツ」「発注ナビ」などのビジネスマッチングサービスが競合にあたり、各種クラウドソーシング系サービスも競合と言える。
ミツモアの費用・料金体系
1ポイント150円(税込165円)でポイントを購入し、各案件に設定されたポイント分を支払って、初回メッセージを送信する流れ。
5ポイント | 825 円 |
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20ポイント | 3,300 円 |
50ポイント | 8,250 円 |
100ポイント | 16,500 円 |
150ポイント | 24,750 円 |
応募のポイント例
企業・会社のホームページ制作 | 16pt(2640円)程度 |
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顧問税理士 | 31pt(5115円)程度 |
引用元:ミツモアポイントとは
受注者側のミツモアの利用の流れ
発注者から仕事の依頼が届くと、近隣の受注者にメールで案件が届き、最大5人がメッセージ送信を行う。そこから発注者と電話やチャットで商談を進めていく流れになっている。
執筆者の所感
UI・UXが非常に良い
基本的に選択項目をタップしていくだけで、近隣のプロ(受注者)から見積書を貰うことができるため、入力のハードルが非常に低くなっている。
ユーザに会員登録させてから情報入力させるようなサービスが多いが、最初に情報入力させた上で、最後の設問項目でメールアドレスの入力をさせるミツモアの仕様は、フォーム入力中での離脱率防止だけでなく、最初の敷居が低いため、EOF(エントリーフォーム最適化)の視点では非常に綺麗な設計となっている。
またトップページの検索窓のサジェスト機能のレベルも非常に高い。
「起業」「バックオフィス」「住宅」といった、抽象的なワードで検索をしてみたが、関連する仕事がサジェストで一覧に表示されている。
単にワードでの部分一致をかけているだけでなく、検索意図を考慮した上で、サジェストの表示を行っている。
クチコミの設計が上手い
受注者側としてミツモアを使っている友人の話しでは、クチコミを増やせば増やすほど、メッセージ送信時にかかる費用(ポイント)を貰うことができる仕組みになっているとのこと。
クチコミを増やすためにクライアントのメールアドレスを入力する機能があり、その機能を活用すると、自動的にクチコミが欲しい相手からのクチコミ依頼をすることができる。
この機能の良い点はミツモア経由以外のクライアントのクチコミを集めることができることで、クチコミを集めれば集めるほど、受注者側は解約しづらくなり、結果サービス運営側に落とすお金が多くなる。(=LTVが向上する)
応募課金型なので、そこまでLTVが増加しないかもしれないが、月額課金型であれば非常に良い解約率低下の対策と言える。またクチコミや事例などのコンテンツはGoogleの検索エンジン上で評価されやすい傾向にあるため、SEO対策になる。
SEO対策に関してはクチコミが増えることにより、コンテンツの質が上がって上位表示されやすくなるだけでなく、各会社の検索結果にてクチコミはリッチスニペットとして表示されるので、CTRの増加も見込める。
この一連のグロースハックのやり方は自社サービスを運営するのであれば、ぜひとも参考にしたいところ
運営会社情報
会社 | 株式会社ミツモア |
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代表 | 石川 彩子 |
資本金 | 5億8100万円 |
設立年月 | 2017年2月 |
会社URL | https://meetsmore.com/company |